生産の現場には、製造過程における「排水」を切り離すことができません。水質汚濁防止法や下水道法では、工場や事業場から排出される下水、排水や、さらに地下に浸透する汚水を規制しています。さらに、都道府県の条例で、上乗せ基準(区域を指定して一律基準よりも厳しい許容限度とする基準)や横出し基準(一律基準以外の項目について規制)も定められていることもあります。
メッキ工場や金属加工の現場では酸性の廃水を多く生成する傾向があり、化学工場には強いアルカリ性の廃水がつきものです。 これらの排水を適切に中和するための目安として、また最終的な排水の品質を監視するために、pH測定が大変重要になってきます。排水中の微生物の呼吸や藻類の光合成等の影響で、pHは時間が経てば変化します。そのため、採水直後にpHを測定する必要があります。
浄化処理施設を初稼動後、工場や事業場で発生した排水を放流する場合は、水質汚濁防止法や下水道法に掲げらる以下の全ての検査
- 水素イオン濃度(pH)*
- 生物化学的酸素要求量(BOD)*
- 化学的酸素要求量(COD)*
- 浮遊物質量(SS)*
- ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類含有量)
- ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類含有量)
- 大腸菌群数*
- 窒素含有量(T-N)*
- 燐含有量(T-P)*
を行わなくてはなりません。(*は、浄化槽法により規制される浄化槽よりの排水の場合)
下水を排出する特定施設の設置者は、下水の水質を測定・記録する義務があります。pHと温度については、1日に一回以上の測定が必要です。《S2K712》《S2K922》は、pH値に加え、温度測定も可能です。
酸性ストリームをアルカリ性ストリームと組み合わせて、中性に近い最終ストリームを生成する際にpH測定を活用することで、コスト削減にも役立ちます。
工場排水だけでなく、雑用水の水質検査(ビル管法)や冷却水、工業用水なども定期的なpHをはじめとする検査が必要です。
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